メタボ健診とは

メタボ健診、という言葉に聞き覚えはおありでしょうか? メタボ健診とは、2008年4月から実施される特定健康診査および特定保険指導の事です。主にメタボリックシンドロームや生活習慣病といった、あまり積極的に治療しようとしない病気に対して健診を行い、改善する為の指導を行うというものです。メタボ健診は、国民健康保険を運営する市区町村、企業の健康保険組合などといったところで採用が義務付けられており、40歳〜74歳の健康保険加入者は必ず受ける必要があります。検査項目は腹囲、血圧、血糖値、コレステロール値で、これらそれぞれに設けられた基準値を上回った場合に指導が与えられます。つまり、メタボ健診とはこれまでの健康診断をさらに一歩踏み込んだ形の健診ということです。ここ十数年の日本は、食事の欧米化や運動不足の若者が目に見えて増えて来ており、肥満体質、あるいは隠れ肥満の人が急激に増えてきました。肥満は健康とは対極にある状態であり、生活習慣病の元になると言われています。それを軽度の状態で発見し、予防または治療するために、このような健診を義務化するという事ですね。しかし、体型は個性であり、人それぞれなのだから、それに国が口を出すのはおかしいという人も少なくないようです。実際、それはその通りだと思います。生活習慣病対策とはいえ、個人の体型に関して国が管理するような状況は、まるで国民をロボットかなにかのように扱っているんじゃないかという意見もあり、それも一理あるかと思います。とはいえ、誰かから注意されなければ、いつまで経っても体質改善を行えない人が多いのも事実なんです。ある意味憎まれ役を国が買って出たようなものですね。メタボ健診とは、様々な人達にとって健康とは何か、体型とは何か、管理とは何かを問いかけるものなのかもしれません。

メタボ健診の義務化の理由

メタボ健診が2008年4月から義務化されます。40歳〜74歳の健康保険加入者は、納税や勤労と同じように、メタボ健診を受ける事が義務となるのです。この義務化の背景には、様々な思惑があると言われています。一部胡散臭いものもありますが、大抵は国民のメタボリックシンドロームに対する認識の甘さを是正するというものです。実際、メタボリックシンドロームに対する現在の日本人の認識は、あまり深刻とはいえません。これは、バラエティ番組などで良く見かけるデブタレントや大食いなどの影響による者だと思われます。実際、テレビの中で彼ら、若しくは彼らに向けて発せられる「メタボ」の言葉はとても軽く聞こえますし、これを病気としてではなく単なる肥満状態の事を指す言葉として使われるケースがほとんどです。よって、今の社会ではメタボという言葉が誤解されたまま広がっているという由々しき事態になっているのです。テレビタレントに原因があるとまでは言えませんが、現状はあまり芳しくはないと言わざるを得ません。メタボ健診の義務化は、そういった風潮を打破する為に実施されたと言えます。メタボリックシンドロームの深刻性を日本に広げるには、実際に健診を受けてもらい、自分の状況が以下に危険か説明を受ける機会を設けなければ、いつまで経ってもメタボリックシンドロームの深刻さが伝わらないという判断の元で、こういった流れができ上がったと言えます。これは医者にとってもありがたい事と言われています。安定した健診代が得られるからです。その事で一部揶揄する声が挙がっていますが、予防の段階でお金を払うという事は決してマイナスではありません。それを踏まえた上で、議論していくべきでしょう。

メタボ健診の腹囲について

メタボ健診で検査する項目は、腹囲、血圧、血糖値、コレステロール値です。この中の腹囲に関しては、肥満の進行度について診断する為に測定します。ひとつの基準として、男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上が指導の対象となる、とされています。とはいえ、腹囲は必ずしも肥満を図るバロメーターになるとは限りません。元々ガッチリした体型の人や、腹筋を鍛えている人は必然的に腹囲が大きくなるからです。極端な話、身長が2mくらいある男性の場合は、腹囲が85cmでも全く太っているとはいえないでしょう。逆に、身長が150cmくらいの人であれば、80cmでも太っていると言えます。何より、基準値以下であってもそのお腹の中が脂肪ばかりなら、それは肥満という事になります。いわゆる隠れ肥満ですね。国によってもメタボリックシンドロームを定める基準値は異なるので、85cm、90cmというのが必ずしも肥満であるという証明にはなりません。メタボ健診では、そういった細かい部分までの検査はできないようです。実際、一人ひとりにそこまで突っ込んだ検査をしていたら時間が幾らあっても足りないので、一定の基準値を取り敢えず定めてみました、といったと事でしょう。これは致し方ないことだと思われます。ですので、仮にそういった項目で引っかかって指導を受けたとしても、それを恥だと思う必要は全くありません。ちゃんと医師や保健士の方は把握しているので、メタボ健診の指導の際に説明を受けることになるでしょう。


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